【観れずにシネるか!?】名作映画探訪『スティング The Sting』(1973)ビック・コン、この歴史に残る大傑作を見逃すな!

言わずもがな名作、大傑作と誉れ高い作品。内容については敢えて言うまい。痛快、騙し騙され大どんでん返しムービーとだけ言っておこう。

映画の各場面に使われているイラスト

脚本の原作となっているのは『詐欺師入門―騙しの天才たち その華麗なる手口 』単行本
– 1999/9 デヴィッド・W. モラー (著), David W. Maurer (原著), 山本 光伸 (翻訳)

原題は「THE BIG CON -the story of confidence man-」
BIC CON ビック・コンとは”ビック・コンフィデンス”のこと。”デカいヤマ”、大掛かりな騙し、詐欺のこと。実際に1910-20年代にはアメリカ各地で流行ったそうだ。

実はこの映画に関わる映画人たちは初めて映画を作ることになった素人だったことはあまり知られていない。
脚本のデヴィッド・S・ウォードはこの脚本を書いたのが若干26,7歳のころ。これが初脚本だったそうだ。プロデューサーを買って出たジュリア・フィリップス、マイケル・フィリップス夫妻も27,8歳とまだ映画制作の経験もない若い新人たち。そしてこれまた『明日に向かって撃て』を撮り終わったばかりの同年代のロバート・レッドフォードと意気投合し製作が始まる。最初は脚本のデヴィッドが監督を務める予定だった。だが、ロバート・レッドフォードが『明日に向かって撃て』のをジョージ・ロイ・ヒル監督に頼み込み、これまたポール・ニューマンを巻き込めたことが、この映画の質を高めることになる。

『スティングThe Sting』予告篇 Trailer

SFX(特撮)も超一流

実はもうひとつ古典的なSFXシーンがいくつかある。シカゴの街のシーンが出てくるのだが、このシーンをマットペインティングという手描きの合成で描いている。しかもガラスに直接描いて撮影カメラの前に置いて同時に合成してしまう”グラスマットペインティング”という手法を用いている。冒頭に出てくるシカゴの街並みを描いている様子。

サンタモニカの桟橋にあるメリーゴーランドの建物に手描きの遠景が足されている。

The Sting

ぜひ、一度は観て欲しい映画のひとつだ。