『オンセットビズ Onset-Vis』という新しい考え方が生むバーチャルプロダクションワーク

“プレビズPre-vis”というのは少しずつ名前が浸透しつつある名称だが、日本ではどうしても予算やスケジュールの都合上なかなか現実的に折り合わない。そんな中、もう一歩進んだビジュアリゼーションの考え方が始まっている。それがオンセットビズ Onset-visの話だ。
オンセットビズ Onset-visとは”Onset”=”その場で”という意味で撮影時にシミュレーションすることであり、もっと言ってしまえば、”その場で”合成し、完成させてしまうことを指す。過去にもリアルタイムでCGキャラクターを合成してしまう考え方はあったし、子供向け番組等でも行われてきた。今回のオンセットはセット=背景のリアルタイム合成のことを指す場合が多い。
確かにその考え方はバーチャルセットやバーチャルスタジオと呼ばれるものがその位置付けであったが、バーチャルセットは放送局で始まった考え方で、クオリティの面で映画やCMなどで使うにはまだまだいまひとつの感があった。それが、最近のUnrealEngineなどのゲーム用のグラフィックエンジンの強化向上によってよりフォトリアルな表現が可能になり、ドラマや映画でも使われるようになってきた。その実例をいくつか紹介しよう。

『PAN AM パンナム』(2012)
60年代のパンアメリカン航空を舞台にしたTVドラマシリーズで用いられたオンセットビズ。残念ながら、1シーズンで打ち切りになってしまった。
Pan Am – Video scenes and visual effects

最近ではオンセットビズというシステムも生まれています。撮影時に本番と同じように合成を確認、場合によってはその場で合成まで仕上げています。ゲームエンジンであるUNREALエンジンが使われています。

Realtime VFX Reviewed by Daily Planet

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