カイリー・ミノーグ Kylie Minogue『Come Into My World』(2002)モーションコントロールカメラの真髄であり殿堂入り映像。最近のカメラマッチムーブへのひとつのアンチテーゼ(答え)

カイリーが通りを周りながら、周回ごとに増えていく。通りの人びとも変化していく何回見ても飽きないMVだ。監督は巨匠ミッシェル・ゴンドリー Michel Gondry。ミッシェル・ゴンドリーはこういう凝った絵作りが好きな映像作家だ。このMVはもう殿堂入り名作と言っていい。2000年代に大流行りしたモーションコントロール(MCC)だが、今はだいぶ廃れたように見える。だがそのMCCの特性をを最大限に活用した映像と言える。MCCの特性とは何だろう。それは同じ動きを何度でも再現できること。それによって同じフッテージの要素を重ね合わせたり、合成することが容易になる。また、MCCのデータをCG側に持って行ったり、逆にCGデータをMCCに運んだりもできるので、プレビズやCGとの合成も可能になる。 最近はマッチムーブでどうにでもなると思いがちだけどMCCは絶対になくなることはない特殊撮影のひとつと言える。

第46回グラミー賞Best Dance Recording部門(2004)を受賞している。

カイリー・ミノーグ Kylie Minogue『Come Into My World』MV(2002)

ミッシェル・ゴンドリー自身が解説するメイキング

4テイクの合成される様子を4分割画面で示す

使われているモーションコントロールカメラは英Mark Roberts Motion Control社のマイロMILO


モーションコントロール特集をやろうかな。